【カチカチ音は持病?】エストレヤのバルブクリアランス調整
「アイドリングが安定しない」
「クラッチ握るとエンスト起こす」
「回転数あげるとカチカチ音がする」
という悩みを抱えてるあなたに向けて記事をまとめています。
初期のエストレヤには持病と言われてる症状がいくつかあり、
その中の一つに「クラッチを握るとアイドリングが弱くなって、最悪エンストする」があります。
考えられえる原因の一つとして考えられるのが”バルブクリアランスのズレ”がありますが、
この記事では、そんな”バルブクリアランスの規定値と調整方法”について解説します。
- バルブクリアランスの適正値
- バルブクリアランスの調整方法
- クリアランスを調整するときの注意点
- 2019.05~2020.12 日本一周約20,000km完走
- バイクで行くソロキャンプ・ツーリングが好き
- 整備は「調べて挑戦してみる」スタイル
日本一周の経験をもとにバイクで行くソロキャンプやバイク旅、整備について発信しています。
バルブクリアランスとは
バイクはバルブを開閉することで空気を吸ったり吐いたりしていますが、
この開閉に使われてる”バルブ”とバルブを開閉するための”ロッカーアーム”の間には
高温下でも正しくバルブを開閉できるように隙間があらかじめ設定されています。
この隙間のことをバルブクリアランスと呼びます。(タペットクリアランスとも呼ぶこともあります)
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事で解説されています。
バルブクリアランスを調整するときの注意点
バルブクリアランスを調整するときは
- エンジンが冷えた状態
- 圧縮上死点の合わせる
を厳守して作業を行うようにしましょう。
サービスマニュアルは手元にあった方がいいけど、今はいろんな人が詳しくブログなどで解説しているので
持ってなくても作業はできます。
今後他の詳しいメンテナンスを行いたいと思っているなら
サービスマニュアルは必要なので1冊持っておくといいですよ!
※フロントがドラムブレーキのエストレヤの場合サービスマニュアルに加えて「補足版」が必要になります。
エストレヤのバルブクリアランス適正値
エストレヤのバルブクリアランス適正値は以下の通り。
- エキゾースト(排気):0.17 ~ 0.22 mm
- インテーク(吸気):0.10 ~ 0.15 mm
バルブクリアランスに必要な工具
バルブクリアランスを調整するためには、
- シックネスゲージ
- 六角ソケット( 14mm)
- メガネレンチ(8mm , 10mm)
- コインドライバー
- マイナスドライバー
が必要になります。
シックネスゲージは高いものから安いものまでいろいろありますが
エストレヤの規定値を測る分のものがあれば十分調整することができます。
シックネスゲージを買うときは素材が”ステンレス”のものを選ぶようにしましょう。
僕はデイトナのシックネスゲージを使用しています。
素材もステンレスで枚数も多く、
2輪で使う分はこれでカバーできます。
エストレヤのバルブクリアランス調整の仕方
エストレヤのバルブクリアランスを調整するにはまず、シートとタンクを外す必要があります。
ここでは割愛させてもらいますが、以下の記事にまとめているので
分からない場合はチェックしてください。
圧縮上死点の見極め方
まずは圧縮上死点を見極めやすくするためプラグを外します
※プラグを外すときは専用のプラグレンチが必要になります。(エストレヤの場合は18mm)
プラグを外したら、次はシリンダーヘッド上部にある蓋(8mm)を外して、ロッカーアームの動きが見えやすいようにしましょう。
コインドライバーを使ってゼネレータ側にある丸い蓋を外します。
硬くてコインドライバーが回らないときは、プラスドライバーなどで延長しT字レンチの容量で回すと
力を伝えやすいです。(固着してると「これ大丈夫なの?」と心配になるくらい力がいる場合もあります)
14mmの6角ソケットを使って半時計に回していくんですが、
吸気がバルブが開いて閉じた位置からさらに回し、「Tマーク」がカバー内の突起部分にきたらそれが圧縮上死点です。
プラグホールに指を当てると”空気が中から吹き出してくる”タイミングがあります。
そのタイミングが圧縮上死点を見極めるポイントとなり、
そうでない場合は圧縮下死点となるので、さらに半時計方向に回してタイミングを探しましょう。
このとき圧縮上死点を間違えるとバルブのタイミングが大きく変わってしまうので注意してください。
バルブクリアランスの調整方法
無事に圧縮上死点を見つけることができたら、バルブクリランスを調整していきます。
まずは何もいじらない状態でバルブクリアランスがどのくらいの数値なのかを調べます。
ここで規定値から大きくズレているなら調整、大丈夫ならそのまま。
10mmのレンチを使ってナットを緩め、マイナスドライバーでクリアランスの調整
締める時は調整したクリアランスがズレないように
マイナスドライバーで固定しながらナットを締めます。
ナットを締めたら再度クリアランスが規定値になってるか確認して大丈夫ならOKです!
あとは逆の手順で蓋を取り付けていくんですが、
蓋の裏にゴムパッキンが付いているので、劣化していないかついでに確認しておきましょう。
Oリング:パーツNo.92055 (53.5×2.6)
Oリングがちぎれていたり劣化しているオイル漏れなどの原因にもなるので注意してください。
バルブクリランスの調整がおわり、シートとタンクを元に戻したら
試走して音が鳴らなくなっているか、アイドリングは大丈夫かなどを確認します。
おわりに
エストレヤのバルブクリアランスは調整しても狂いやすいと言われていて
「最近調整したのにまたカチカチ鳴り始めた」なんて声も聞きますし、
僕自身このバルブクリアランスがズレてカチカチ鳴る症状には悩まされています。
もし今乗ってるエストレヤが
- クラッチを握るとアイドリングが弱くなるorエンストする
- 回転数を上げるとエンジンからカチカチと音がする
といった症状に悩んでいるなら一度、バルブクリアランスの調整をしてみてはいかがでしょうか。
他にもエストレヤに関するメンテナンス記事をあげているので
気になったらチェックしてみてください。
コメント