【エストレヤのレストア⑤】ピストンをオイル上がり対策品へ交換
シリンダーヘッドの組み立てもできたので
今回はピストンを交換していきます。
- 2019.05~2020.12 日本一周約20,000km完走
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古いピストンの取り外し
ピンセットやマイナスドライバーを使ってピストンクリップの切れ目を矢印のくぼみへ移動させます。
後はラジオペンチで引っ張って外します。
クリップもピストンも交換するときはそこまで考えずに力任せに引っ張っちゃって大丈夫!
後はクリップを外して内側から中のピンを押すと簡単に抜き取って、ピストンが外せます。
これで古いピストンの取り外しは完了
古いピストン捨てるだけじゃもったいないし、何かいい活用方法ないですかね〜?
ピストンリングの取り付け
新しいピストンを取り付ける前にピストンリングをピストンへ取り付けます。
後から思ったんですが、ピストンをコンロッドへ取り付けた後にピストンリングを取り付けても問題なさそうです。
ピストンリングの取り付け手順は
- エキスパンダリング
- 上下のスチールレール
- トップリング
- セカンドリング
トップリングとセカンドリングはどちらが先でも問題ないです。
エキスパンダリングとスチールレール
写真の一番下と左の2つがそれぞれ
- エキスパンダリング(写真下)
- スチールレール(写真左)
エキスパンダリングは端が上を向くようにして、取り付けた時に重ならないようにしてください。
スチールレールは特に記載はないので、エキスパンダリングの上下に取り付けます。
トップリング
トップリングはピストンの一番上に取り付けるリングで、向きが決まっているので注意してください。
断面を見ると写真のように内側が一部斜めになっていて、上にマークがあることがわかります。
このマークが上に来るようにピストンへ取りつけます。
セカンドリング
セカンドリングはトップリングのすぐ下に取り付けるリングで、これも向きがあるので注意。
サービスマニュアルの挿絵では外側が台形っぽくなっていますが、見た感じ長方形にしか見えないです。
なので、マークがある部分を確認してそこを上にするように取り付けます。
ピストンリングの取り付け方は以下の動画を参考にしています。
ピストンの取り付け
ピストンをコンロッドに取り付けて行くんですが、先に片側のクリップを取り付けます。
ピストンピンを固定するクリップはけっこー硬いので、親指で飛ばないように抑えながらラジオペンチやマイナスドライバーで少しずつ入れていきます。
ある程度入ると後は中に押し込むだけで入ってくれます。
個人的にはマイナスドライバーの方が作業しやすかったです。
ピストンには取り付け向きがあるので注意
三角のマークがある部分が正面に来るように、コンロッドへ取り付けていきます。
取り付けるときはコンロッドの内径にエンジンオイルを塗布しておきます。
反対側と同じように指でクリップが飛ばないように抑えつつクリップを入れていきます。
取り付け時クリップが必要以上に変形してしまわないように気をつけてください。
無事にクリップが取り付けられたら、仕上げにクリップの切れ目がピストンのくぼみからズレるように回します。
ピストンリングには向きがある
ピストンリングは取り付ける時それぞれ切れ目の角度が決まっています。
- トップリング:正面
- セカンドリング:後ろ
- エキスパンダリング:後ろ
- スチールレール(上):左30°
- スチールレール(下):右30°
シリンダーを取り付ける時は必ずこの向き注意してズレないようにしましょう。
新旧ピストンの比較-どこが変わったのか-
エストレヤの初期ピストンはオイル上がりが起きやすい欠陥を抱えていましたが、現在は廃盤となり対策品のみが購入できるようになっています。(中古で購入するときは初期のピストンかどうか注意しましょう。)
変更点は
- エキスパンダリングの形状変更
- トップ・セカンドリングの厚み増加
といったところですね。
トップリングの材質が変わってるように見えましたが、この辺りは調べてもよくわかりませんでした。
トップリングとセカンドリングはそれぞれ厚みが0.2mm増加していました。
以前ネットで「399の刻印があるものは初期のピストン」という情報があったんですが、今回新しく購入したピストンにも”399”の刻印があったので刻印は判断材料にはならないのかもですね。
もしあなたのエストレヤのピストンが対策前のものかを知りたいならエキスパンダリングの形状を見るとわかります。
次回はシリンダーの組み立て
ピストンの交換は無事に終わったので
次回はシリンダーとシリンダーヘッドの組み立てを行っていきます。
シリンダーの取り付けにはピストンリングを圧縮するコンプレッサーが必要になるんですが今回は身の回りにあるもので代用していきます。
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